LOG IN

全作品リンクリスト

「ソファーの上でロマンスを」全作品(34作)リンクリスト ご案内(このブログの説明) ※ピンク色の鍵括弧内は想起した曲のタイトルです 泣きたい時には泣いて / 「せつない時は僕がいる~素晴らしい世界」 罪と罰 / 「Jokeでシェイク」 僕の恋人 / 「宵闇にまかせて」 深層のプール Can't Stop Lovin' You Pink / 「キッスはそこまで」 What Can I Do / 「ダーリン小指を立て

漂う

その日、僕は川面に漂う小舟の中にいた。そこでひとり横たわり、失ってしまったあなたのことを考えていた。 どうして止めなかったのだろう。後悔ばかりが頭の中を反芻する。 あなたは一途に僕を愛し、僕もあなたを愛していた。それなのに現実はなんて酷い世界なのだろう。ただあなたが僕よりもほんの少し先に産まれたというだけなのに。 許嫁なんて一体いつの

純粋な染色体

折り紙は幼い頃以来折っていない。 チェストの引き出しを開けてみると、そこには色鮮やかな赤い折鶴が既に鎮座し、引き出しを小さな自分の部屋のようにして羽を広げていた。懐かしかった。あなたはよく病室でも器用に折り紙で色んなものを折っていた。その見事な鶴の隣に、その鶴を折ったものと同じ質の紙があった。僕はその中から一枚色を選び出した。陽射し

Private Heaven(後編)

次の日の朝。 ナナが最初に見たものは至近距離の彼の顔だった。案の定、目を丸くしてタオルケットで顔を隠した。 「悪趣味! 寝顔を覗きこむなんて!」 「よく寝てるなあ、と思ってさ」 ナナは枕で彼を叩いた。所詮、羽枕で軽いのだが。彼は叩かれながら楽しそうに笑った。 ふたりは朝食の後に、澄んだ空気を吸いに海に出た。 「日本の海と全然違う」 そう言って

Private Heaven(前編)

目を覚ますと、一瞬ここがどこか判らなくなった。 国際線の飛行機の中、ナナは周囲を見渡して思い出す。こうして飛行機に乗っているのにまだ迷いがある。もう空の上だから後悔したって遅いんだけど。ナナはシートを少しだけ倒して、もう少しだけ、うとうとと軽い眠りに入った。目的地まではまだ時間がかかるのだ。 それは突然だった。 5月、連休とは縁のない仕